映画【マチネの終わりに】感想。石田ゆり子とサントラが素晴らしい。

石田ゆり子と福山雅治のW主演『マチネの終わりに』を11月1日の公開初日に観てきました!本作は、東京、パリ、NYが舞台。宣伝でも海外ロケが話題になっていたので楽しみにしていました。

原作は平野啓一郎氏。溶け合うブルーとイエローの表紙デザインが印象的です。

※鑑賞しての感想ですので多少のネタバレを含みますのでご注意くださいね。

【マチネの終わりに】を観てきた

舞台が東京や海外を跨いだり、内容も女性と男性それぞれの視点から描かれていたりと、なんとなく、2001年に公開された『冷静と情熱のあいだ』のような、大人の恋愛映画感。

正直なところ、邦画はよっぽど興味がなければDVDになってから観ようかな?となるのですが、観ようと思った決め手は石田ゆり子。ここ近年、ゆり子さんに夢中な私です。『マチネの終わりに』の宣伝で、アナザースカイやおしゃれイズムに出演していたゆり子さんをしゃぶりつきながら見ました。(日テレさんありがとう!)

おかわいい。おうつくしい。今年の10月に50歳になられています。年を重ねる事の美しさや喜びを彼女からひしひしと感じ、自分の未来も楽しみになってしまうのです。私もこんな素敵な女性になるのだ〜きらきら!と。

石田ゆり子と作品の内容について

『マチネの終わりに』のゆり子さんは普段かもし出しているやわらかさにピリッとスパイス加えた感じ。お茶にたとえるならチャイかな〜。

石田ゆり子さん演じる小峰洋子はパリで活躍するジャーナリスト。センシティブな問題も報道しなくてはならないし、自身が危険な現場に巻き込まれる事も。作中では実際にテロが起きるシーンがあり、それもなかなかの切迫感、臨場感があり、、しんどかった。それが当たり前のように世界で起きている出来事なのだと胸が痛みます。残された人たちの想いや乗り越えなくてはならない葛藤など、様々な想いが伝わってきます。そのシーンで、映画のテーマでもある大事なキーワードになるセリフを、洋子がジャーナリストとして全世界へと発信します。

“未来は常に過去を変えられる”

今、どんなに悲惨な状況でも、未来の行動で過去は塗り替えていける。タイムリーに最近そんな事を考えながら毎日を過ごしていたので「天使がメッセージをスクリーン越しに伝えてきた、、ありがとう」と驚きました。

たとえば極々些細な事だけど、今日はタイツを履いて出掛けました。が、履いて出る寸前まで「映画館で暑くなりそうだな、、」と悩み。結局履いて家を出ましたが、夜は寒くて「履いて出掛けてよかった〜!」と思ったのでした。出掛ける間際の事を思い出し、あれも後悔にならずに済んだなあと。すごく小さな事ですが、正にそういう事なのだと思いました。今、感じてる全ての事は未来からフォーカスすれば良くも悪くも変えられる。そのたとえがタイツでごめんなさい。

『マチネの終わりに』は二人の出会い、別れ、再会までの6年間を描いています。もがきながらも未来へ進んで、残酷なすれ違い、過去を振り返り、現在を繰り返し、そして、いつかの再会でやっと過去への記憶の旅。

自分の事と照らし合わせて、ついつい過去のことを思い返してしまいます。

福山雅治と音楽について。サントラが欲しくなった

『マチネの終わりに』を刹那的に情感溢れる演出をしているのが作中で奏でられる音楽たち。これは本当にサントラ買ってもいいなあと思うくらい。(LALALAND以来) これがまたパリやNYなどの街並みや景色にベストマッチ。

福山雅治さん演じる薪野聡史はクラシックギタリストなのですが、演奏している音は全て吹き替えなしで福山さんが弾いているそう。福山さんといえばロックギターというイメージなので、クラシックギターとなるとまたお稽古大変だったのだろうなと思います。でも、そんなことは一切感じさせないのです。福山雅治ではなく薪野聡史としての音色がしっかりそこにありました。それがまた繊細で甘く切ない響き。この作品において福山雅治という人は、ギターの音色を体現したような存在でした。とても脆く繊細で、今までこんな福山雅治見たことないなあと。

洋子に出会うまでの薪野は、なかなか自分の演奏に満足できません。黒い不安をあらわしている影が彼を飲み込んでいく描写もあり、自分の音楽を見失っていきます。心身ともに憔悴していく中で洋子に出会うのですが、洋子と話している時の喜びやすれ違いの哀しみ、焦りなどの様々な心の移ろいが細かく表現されていました。それは洋子も同様、年を重ねてきた二人だからこそ出せる情感だったのだろうなと思います。

作中映画の【幸福の硬貨】テーマ曲が頭蓋骨を揺らす

薪野と洋子が惹かれ合うきっかけである『幸福の硬貨』という映画が作中出てきます。この映画は、洋子の父、イェルコ・ソリッチが監督しています。また、薪野にとっても心に残る特別な映画であり、そのテーマ曲も自身の中で印象的な一作として掲げています。

あらすじは『戦地に向かう恋人から、またいつか生きていてよかったと思えたら何か好きなものを買いなさい。と硬貨を渡される。』

そのテーマ曲が本当に素晴らしくて、映画館を出た後も耳から離れず。。切ない。けれど、ゆるやかな希望も感じる。

エンドロール、初めて映画音楽で頭蓋骨を鳴らす。という経験をしました。全細胞に響き渡るというか、音楽によって細胞が活性化されるというか。音楽療法って確かにあるわ。。と思うくらいに、音楽がとんでもなく素敵でした。

好きになれない三谷早苗

薪野と洋子の間を引き裂く存在がいます。薪野のマネージャー、三谷早苗(桜井ユキ)です。いやー、どうしても彼女が最後まで好きになれませんでした。。

よくもそんな嘘を!?その表情!?なぜ今更そんな事言うの!?のオンパレードで、思わず舌打ちしそうになるくらい。その姿は大人な洋子とは対照的で、洋子に薪野を奪われたくない、という幼い愛情を感じました。

でも、彼女も少しずつ自分と向き合い、決断します。それが薪野と洋子の再会に繋がりますが、私としてはあまり腑に落ちずちょっと消化不良中。それくらい爪痕を残してくれる存在だったのは確かです。

でも、実行できるかは別として本当に欲しいもの譲れないものがある時って、早苗のような気持ちになってしまったりするのかななんて考える。早苗はその気持ちを押し殺せずに、薪野と洋子をとてもずるい形で引き離しました。

善し悪しはさて置き、登場人物の中で誰よりも人間らしくも見えて、腹は立ったけど否定は出来なかった。それもまた薪野と洋子の二人が「未来は過去を変えられる」と語るように、早苗という存在の記憶も変わっていくのだろうなと思います。

でも、ゆるせなかったよ〜!!

物語の結末、ラストシーンについて

薪野と洋子が時を経て再会するシーン。とても秀逸です。ああ、、その先は見せてくれないんだね、、ああ。。と余韻が無限大に。飽和状態。

二人が数年ぶりに再び目を合わせた瞬間の表情も最高。瞳の揺らし方や口角の上がり方、時を刻んできた美しい顔の皺も愛おしくなります。

それからは先ほど話したエンドロールに向かうので、良質な心地のよい布を触っている気分になります。ベロアとかの。

その日、映画館にいた客層は40〜60代くらいの女性が多かったです。終映後、前に座っていたマダムたちが「福山雅治はやっぱりいいわねえ〜なんでもできてすごいわねえ〜」と幸せそうで、福山雅治の人気を直に感じたのでした。

鑑賞後はほんのちょっとだけ東京がパリの街並みに見える、そんな作品です。

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